6月19日、プライドセンター大阪にて、虹色ダイバーシティ理事長の村木真紀による「オーストラリア視察報告会」を開催しました。今回は、2026年4月24日から5月2日にかけて、オーストラリアのシドニーとキャンベラを訪問し、LGBTQコミュニティの歴史の保存、LGBTQ支援拠点の運営、2017年の同性婚実現前後の地域コミュニティのあり方などについて調査を行いました。(協力:オーストラリア大使館)
シドニーでは、2024年に開館したミュージアム「Qtopia Sydney」を訪問しました。かつて警察署だった建物を活用した施設で、観光や地域再開発の拠点として、州や市から助成を受けていました。1978年、初回のマルディグラやHIV/AIDSへの取り組み、同性婚を求める運動の歴史などが展示されています。コミュニティの記憶をアートや市民活動の資産を通じて次世代へ伝える工夫や、行政、企業、ボランティアが連携して施設を支えている様子について報告しました。

また、LGBTQユース支援センター「Pride Center (Twenty10)」も訪問し、同性婚が実現した現在も、若者やトランスジェンダー、移民コミュニティなどへの支援が重要な社会課題として続いていることを学びました。センターが相談支援だけでなく、住居、衣料、食糧の支援も行っている他、居場所づくりや地域とのつながりを生み出す拠点として機能していることも印象的でした。こちらは連邦政府と州の支援がメインで、行政の建物をリノベーションして使っていました。

首都キャンベラでは、国立博物館や民主主義博物館、オーストラリア国立大学内のクイア・スペースなどを視察しました。LGBTQの歴史や権利獲得の歩みが、女性や先住民、環境保護運動などと並んで、民主主義の歴史として位置づけられていることや、同性婚をめぐる議論で傷ついた地域コミュニティを癒す取り組みについて紹介しました。(実際にキャンベラで行われた写真展の図録は、プライドセンター大阪で閲覧可能です。)
報告会では、コミュニティの歴史をそれぞれの地域で記録・保存していくことの重要性や、公共空間におけるアートやモニュメントによる可視化、行政との連携のあり方について参加者の皆様と共有しました。今回の視察で得た知見を活かしながら、プライドセンター大阪でも、誰もが安心して集い学べる場づくりを進めていきたいと思います。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。




